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きちんと数字で表現すること~読書感想「俺のイタリアン 俺のフレンチ」

今日の読書感想はこれです。

 

「俺のイタリアン 俺のフレンチ」 坂本孝著


一時期すごくメディアに取り上げられていた飲食店、「俺のイタリアン」と「俺のフレンチ」

 

大阪にもミナミの戎橋のところにありますね。

 

その事業を運営している会社の社長が書いたものです。

 

「俺の」2店舗、ご自身の今まで事業について書かれています。

 

経営書として面白かったです。

 

 

 誰にも負けない=「競争優位性」

 

本のサブタイトルは「ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方」とあります。

 

「俺の」の事業が成功したのは、この「競争優位性」があったからだと著者は言い、随所にこの言葉が出てきます。

 

 彼は飲食店を開業するにあたり「立ち食い居酒屋」と「三ツ星シェフ」に人気があることに気付きます。

 

そして、両立が不可能と思われるこの二つを合体させることで、他には負けない店舗をつくることを考えます。

 

この「他には負けない」ということを「競争優位性」といいます。

 

事業つくりで大切なことは「競争優位性」である。独自に築いたものを、絶対に次が追随できないようね参入障壁をどれだけ作れるか、これがアントレプレナーの唯一のポイントです。それらをたくさん作ることによって、その事業は揺るぎないものとなります。

 

 

仰るとおりです。

 

事業は唯一性、独自性を確立したところに成功があります。

 

しかし、経営者はそれを日々考えているですが、そう簡単には思いつきません。

 

考えれば出てくるものではなく、一種の「ひらめき」が必要なのだと思います。

 

著者は「俺の」の前に古本屋BOOK OFFの創業者として成功をおさめています。

 

事業経験が豊富です。

 

BOOK OFFの前にも様々な事業を展開したことも書かれています。

 

「目の付け所が鋭い」と思いますが、それは経験からセンスが磨かれていったのではないかとわたしは思います。

 

 

 きちんと数字で表現すること

 

 

この本で一番素晴らしい点は、事業を数字できちんと把握することの重要性について書かれていることです。

 

「俺の」事業は3人で立ち上げるのですが、その中に元敏腕証券マンで数値に非常に強い人間がいます。

 

彼が著者のアイデアを数値で表していきます。

 

「三ツ星シェフが作る料理を単価を安くしていかに利益を出すか」という事業を数字で示すのです。

 

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三ツ星シェフが作った原価の高い料理でも、回転率をあげることで充分に利益が出ることことをこの表で彼が説明します。

 

これをもとに著者は「俺の」事業を始めようと決断するのです。

 

その決断したときの感想です。

 

数字で裏付けられることってすごい。アイデアは閃きだけでなく、きちんと数字で表現すること。

 

 

わたしがやっている仕事もこういうことです。

 

飲食店の開業相談をうける時は必ず上の表のことはお聞きします。

 

事業経営には「想い」と「戦略」が必要です。そして、その「戦略」には「計数管理」が欠かせません。


飲食店を開業しようと考えている方には少し考えればすぐにわかる表だと思います。

 

逆にこれの意味がわからなければ経営者として非常に甘いです。

 

そもそもこの数値の発想がわいた著者がすごいのですが・・

 

 

 稲盛和夫さんの影響が大きいです

 

 

著者は有名経営者の稲盛和夫さんが主宰している「盛和塾」に参加されています。

 

経営者として稲盛さんの影響を大きく受けており、会社経営にもかなり参考にされているようです。

 

会社の存在意義のひとつとして以下の言葉が出てきます。

 

物心両面の幸福の追求

 

 

確か、稲盛和夫さんの本「生き方」にも同じ内容が書かれていたと思います。

 

本にも稲盛和夫さんが頻繁に出てきますし、本の帯も稲盛和夫さんが書かれていました。

 

経営者で稲盛和夫さんの本を読んでいる方は多いです。

 

頻繁の稲盛和夫さんに名前が出てくるので、久しぶりに「生き方」を読み返したくなりました。

 

 

起業時にお世話になることが多い「日本政策金融公庫」のデータでは、飲食店が起業業種の第一位です。知っているかぎり10年以上トップです。

 

飲食店を開業しようとお考えのかたにはこの本は参考になると思います。

 

同じ形態で店を出すことは難しいと思いますが、「計数管理」、「原価率」、「回転率」という言葉がたくさん出てきますので勉強になります。

 

特に上記の元敏腕証券マンがする話しは参考になることが多いです。

 

飲食店だけでなく、いつかは起業したいとお考えの方にも、経営書としておすすめです。