【確定申告シリーズ】国民年金の支払い方法と社会保険料控除について
「確定申告」の注意点について紹介しています。
今回は国民年金の支払い方法と社会保険料控除との関係についてです。
国民年金の「前納制度」と「後納制度」
会社勤めの方の健康保険や厚生年金は、会社が社会保険に加入しているため、給料から天引きされ会社を通じて納付しています。
一方、確定申告の必要のある個人事業主は、原則的には健康保険は市区町村の「国民健康保険」、年金は「国民年金」を自分で納付しています。
日本に住所のある20歳から60歳までの人は、「国民年金」への加入と納付は法律によって義務付けられています。厚生年金加入者も「国民年金」へ加入しており、天引き分から納付されています。
個人事業主の場合、「国民年金」は自分で銀行等や口座振替で直接納付しなければなりません。納付期限は基本的には毎月ですが、いくつかの納付方法があります。
まずは、「2年前納制度」です。
「2年前納制度」とは、2年間分を先に納付することができる制度です。この制度を受けますと、毎月納付より15,360円割引となります。
そして、もうひとつが「後納制度」です。
「後納制度」とは、納め忘れた「国民年金」の過去分を支払う制度です。平成27年10月から平成30年9月までの3年間に限り、過去5年分をまとめて納めることができます。
こちらは納付方法というよりかは、未納付の方への救済処置となります。
納付方法と社会保険料控除について
「国民年金」の支払いは、所得税の計算上「社会保険料控除」として控除の対象となり、税金を抑えることができます。
原則、支払った年分が控除対象なのですが、上記のふたつの制度の場合異なる点がありますので注意が必要です。
まず、「2年前納制度」ですが、次のいずれかの方法を選択することができます。
・全額納めた年に控除(一括方式)
・各年分ごとに控除(分割方式)
注意点は、一度選んだ方法をあとから変えることはできないことです。一括方式から分割方式、分割方式から一括方式へ変えることはできません。
次に、「後納制度」ですが、こちらは分割方式はなく、その全額を納めた年に控除する一括方式のみとなります。
またどちらの方法でも、「国民年金控除証明書」の原本の添付が必要となります。
「国民年金」の「社会保険料控除」は、納付方法により処理が変わりますのでご注意下さい。