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のんびり時間がHAPPYタイム

情弱アナログ人間ですがデジタルガジェット好きです。読書と食べることが好き。徒然に書いてます。

全くわからなかったどんでん返し!~読書感想「アヒルと鴨のコインロッカー」

読書感想

 

 

今日の読書感想はこちら

 

アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂幸太郎著

 

伊坂幸太郎は好きな作家ですが。これは読んだことがありませんでした。

 

こちらも期待通り面白かったです。

 

以下、ネタバレあります。

 

 

 「現在」と「二年前」の同時進行

 

内容をamazonより引用しました。

大学入学のため引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。標的は――たった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ! 四散した断片が描き出す物語の全体像とは? 注目の気鋭による清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。

 

 

 大学生の椎名が下宿先で河崎という男に出会い、いろんなことに巻き込まれていくというストーリーです。

 

椎名と河崎が中心の「現在」と、河崎の元カノと河崎、元カノの今の彼氏のブータン人が中心の「二年前」、このふたつの話が一段落ごとに出てきて、物語は進みます。

 

「現在」のほうはどうして書店強盗を河崎はすることになったのか、から物語は進んでいき、その進んでいく過程で「二年前」が影響していることが少しづつわかってきます。

 

交互に「現在」「二年前」の節が出てくるのですが、お互い少しづつ真相に近づいてくるので面白かったです。

 

 

  どんでん返しにだまされた-

 

 

「二年前」では中心人物である琴美(元カノのこと)が「現在」に全く出てこないところがずっと気になってました。ペットショップの店員として女性が出てきて「やっと出てきた」と思いましたが、琴美ではなく、麗子さんに殴られた人だったのでガッカリしました。しかし、どうしてその人が麗子さんとこで働くようになったのでしょうね。

 

結局、琴美は「二年前」に死んでいました。「現在」を読んでいて薄々感じてましたが、「出てきていないだけで、意外と現在もどこかにいるのかも」と少し期待していたのでやっぱり残念です。

 

動物虐待のメンバーから狙われていたので、ひどい殺され方なのかなとも思いましたが、車に轢かれるというそれほどひどい死に方ではなかったのだけが、変な感情ですがホッとしました。

 

「現在」で襲撃した本屋の息子が動物虐待のメンバーのひとりであるとは、早くから気づいていました。「二年前」で親の仕事を引き継ぐみたいな話をしていたので。だから、「現在」の河崎が本屋を襲うのは、広辞苑が欲しいからではなく、本屋の息子へ何かするためだったのも早い内からわかりました。

 

そして、ラストのどんでん返し。見事に騙されました。

「現在」の河崎と「二年前」の河崎が違う人物とは全く頭になかったです。

それも、「現在」の河崎は「二年前」のブータン人のドルジというまさかの展開です。

わかったときは「やられたー」と思いました。

 

「現在」のペットショップで働いている女性が、椎名から「河崎」に名前を聞いたときに「キャッ」と声を上げたのは、死んだ人のことを話しているから驚いたのですね。昔の彼氏の話なのでそうなったのかと思いました。

 

麗子さんが「現在」の河崎がドルジだと椎名に教えてから、一気に物語はクライマックスへ入りました。「二年前」から「現在」までに何があったのかがドルジによって語られますが、正直ハッピーエンドではありませんね。

 

最終節、ドルジが駅に行くと言い出した時から、河崎と同じように自殺を考えているのかと思いました。そうではありませんでしたが、ラストシーン、ドルジは椎名と駅で別れてから部屋にはもどっていないようだったので、どこかで死んでいるのかもしれませんね。「生まれ変わる」と信じて、河崎や琴美に会いにいっているのかもしれません。

 

伊坂幸太郎の作品は、細かい伏線がいろんなところに張られていて、エンディングに向かってその一つひとつがつながっていくという展開が多いですね。そういうところがこの作家の好きなところです。

 

ところで、これって映画化されているのですよね。一番のどんでん返し、「現在」と「二年前」の河崎の違いはどう表現したのでしょう。めちゃ気になります。

 

ちょっと後味が悪いストーリーですが、どうなるのだろうと先の気になる展開で面白かったです。