読書感想「Nのために」
今日の読書感想はこちらです。
「Nのために」 湊かなえ
以下ネタバレあります。
Nはイニシャルのこと
amazonより作品紹介を引用します。
超高層マンション「スカイローズガーデン」の一室で、そこに住む野口夫妻の変死体が発見された。現場に居合わせたのは、20代の4人の男女。それぞれの証言は驚くべき真実を明らかにしていく。なぜ夫妻は死んだのか?それぞれが想いを寄せるNとは誰なのか?切なさに満ちた、著者初の純愛ミステリー。
とても面白かったです。移動中にいっきに読んでしまいました。
登場人物全員がNのイニシャルが付く名前で、いきなり殺人事件から始まって犯人がつかまります。
しかし、現場にいた一人が犯人は別なのではないか?と思うところから、ストーリーが展開していきます。
進行は、登場人物ひとりづつで書かれており、生い立ちからはじまり、殺人があった日まで、時系列に進んでいきます。
この書き方が面白いです。この人はこういう人生を歩んできて、いろんなことがあって、こういう想いで殺人事件のマンションに来たんだなというのがわかって、ストーリーに引きこまれます。
それぞれ事情が違っているので、登場人物の心境を知りながら、ラスト殺人事件の真相に向かっていくときはハラハラします。
ただ、若干ラストのインパクトが弱いようにも思いました。
大きなテーマは虐待
この小説の大きなテーマは「虐待」だと思います。
登場人物は全て幼児時代又は夫婦間で暴力を振るわれたり、精神的ないじめを受けた経験があります。また、直接的な暴力ではなくても、子どものころに精神的なダメージを受けています。
そして、出会って同じような経験を持っていることを知り、お互いに惹かれていくという展開です。
惹かれていくというか、相手を守ろうとする気持ちが出てくるという感じです。
それぞれのそういう想いが集まって、どうして殺人事件が起きるのかが、この小説のクライマックスです。
親として、子どもの虐待については心情的に読みづらかったです。
それほど多くは書かれていませんが、そういう場面が苦手な方は読まないほうがいいと思います。
登場人物それぞれに個性があって、ラストへ向かっていくところはとても面白いです。
サクッと読める文量なので、空き時間に楽しむにはいいと思います。
【あとがき】
昨晩は久々に娘の夜泣きが復活(゚∀゚)今日は一日眠かったです(^^)
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